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新卒の離職率を下げるために企業人事がやるべきこと


一定期間における離職者数の割合を示す「離職率」は、求職者にとって会社選びの判断材料にもなる重要なポイントです。離職率の低い会社は働きやすいクリーンなイメージを持たれやすく、既存社員だけでなく、対外的なイメージアップ効果も期待できます。本記事では、離職率が高い傾向にある新卒者を定着させる具体策についてご紹介します。あわせて新卒者の離職率が高くなる原因やそのデメリット、離職率低下につながる福利厚生制度なども解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。

 

 

離職率とは?

「離職(りしょく)率」は、ある一定期間内に退職して補充を必要とする従業員の割合のことで、計算・分析することで経営の効率化や従業員の満足度向上などが期待できます。なお、自己都合の退職(定年退職や転職など)と会社都合の退職(業績悪化やレイオフなど)のいずれも離職率計算の対象となりますが、 昇進や転勤といった配置換えは含まれません。

 

離職率は”働きやすい会社”の一指標になる要素で、就職や転職活動の判断材料にしている求職者もいるほど。 業種によっても離職率の高さが異なるため、一概に「離職率が高い=印象が悪い」とは言い切れませんが、採用促進や企業のイメージアップなどのメリットを考えると、離職率は低いほうが好ましいでしょう。

  • 離職率の計算方法
  • 日本の平均離職率
  • 新卒の3年以内離職率

離職率を下げるために、まずは日本の平均離職率や新卒の離職率について詳しく見ていきましょう。

 

 

離職率の計算方法

離職率を計算する際は、大きく次の2つの方法があります。

  • 月間離職率:(1か月の離職者数÷1か月の平均従業員数)× 100
  • 年間離職率:{1年間の退職者数÷[(年度始めの従業員数 + 年度終わりの従業員数)÷2]} × 100

一般的なのは、期初から期末までの1年間における離職率を計算するパターンです。次の例を参考に、自社の離職率を計算してみましょう。

 

例:2023年4月1日には50名の従業員が在籍していた。2024年3月31日までに6名が離職し、従業員は44名になった。

{6÷[(50+ 44)÷2]} × 100=12.765 → 離職率は約13%

 

日本の平均離職率

2022年度の年間離職者数は7,656.7千人で、離職率は15.0%でした。2020年度の14.2%、2021年度の13.9%と比較するとやや上昇しています。就業形態による違いも大きく、パートタイム労働者は一般労働者と比較して10%も離職率が高い状態です。

 

新卒の3年以内離職率

就業形態や産業のほか、職歴によっても離職率は異なります。とくに、離職率の数字を追ううえでもっとも重要になるのが新規学卒就職者(以降、新卒者)の3年以内離職割合です。新卒者の離職率は大卒者で31.5%高卒者で35.9%となっており、産業別に見ると宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業で高い傾向にあります。どの業界においても新卒者の離職率は高く、人材不足やコスト損失に悩んでいる企業も少なくありません。

 

 

 

新卒の離職率が高くなる原因
ではなぜ、新卒者の離職率は平均30%超えの高水準なのでしょうか。

  • 採用時のミスコミュニケーション
  • 不十分な教育体制や評価制度
  • 労働環境の悪さ

新卒者の離職を招く、3つの原因について詳しく解説します。

 

採用時のミスコミュニケーション

キャリアアップに伴う転職やジョブチェンジなどが当たり前になった昨今、離職理由として多く挙げられるのが「仕事が合わない」「思っていた仕事と違った」といった仕事内に対するギャップです。人材確保のために良い面ばかりを伝えてしまうと、入社後にミスマッチを感じやすく、新卒者のモチベーションは著しく低下してしまいます。

 

不十分な教育体制や評価制度

程度の違いはあれど、はじめて社会に出て働くときにはだれしも不安や緊張感を覚えるものです。どうしても「一日でも早く即戦力になってほしい」と期待してしまいますが、教育体制を整えていないと孤独感や不信感から早期離職を招きやすくなります。また、適切な評価制度が設けられていない場合も、自分の能力を評価してくれていないと感じて、マイナスなイメージを抱きやすくなります。

 

労働環境の悪さ

新卒者に限らず、全年代で離職理由として多いのが「労働環境の悪さ」です。以前よりもライフワークバランスが重視されるなか、業務量や残業の多さ、休暇の取りづらさは離職につながる深刻な問題です。また、閉鎖的で意見を出しづらい環境や人間関係の悪さなども離職の原因になります。

 

 

離職率の高さが会社にもたらすデメリット

離職率の上昇は単に人材不足につながるだけでなく、業績や企業イメージにも影響を与えかねない問題です。離職率の高さが企業にもたらすデメリットを見ていきましょう。

  • 採用、教育コストの損失
  • 人材育成が滞る
  • 属人化しやすく、離職時に影響を受けやすい
  • 既存社員に負担がかかる
  • 採用時の応募自体が減少する
  • 企業イメージの低下

 

とくに注意したいのが、離職の連鎖が生まれやすいことです。離職率が上昇するとどうしても既存社員の業務量が増え、残業や場合によっては休日出勤も生じてしまいます。そうなると「離職者が出る→既存社員の負担が増える→既存社員が離職を考える」という負の連鎖を招き、深刻な人材不足につながるのです。

また、前述したように、離職率は企業の働きやすさを表す要素でもあります。離職率が高くなると求職者からの応募自体が減るため、どうしても優秀な人材を確保しづらくなってしまいます。

 

 

新卒の離職率を下げる方法

新卒者の離職抑止のためには、次の3つの対策が有効です。

  • 採用時に企業情報を開示
  • 教育体制と評価制度の見直し
  • 労働環境の改善

それぞれの対策のメリットと、ポイントを見ていきましょう。

 

採用時に企業情報を開示

入社後のミスマッチを避けるためにも、採用時には「Realistic Job Preview」を実施しましょう。 一般的には「RJP」と呼ばれるもので、日本語では「現実的な仕事情報の事前開示」を意味します。実際の業務内容や組織の状態について包み隠さず、良い面も悪い面も開示することで、求職者と企業のミスマッチを減らす効果があるとされています。一見採用の難化を招くように思えますが、リアリスティックな情報を提供することで適合性が高まり、のちの人材定着にもつながるのです。

 

教育体制と評価制度の見直し

自社の教育体制を整え、新卒者が不安なく働ける環境を整えるのも離職抑止には効果的です。OJTや研修制度、人事面談など、入社後のフォローを手厚くしましょう。評価基準が定まっていない場合は明確な基準を設けたうえで、対象者に報酬や等級の決定理由を明示してください。透明かつ公平な評価は、従業員のモチベーションアップに貢献します。

 

労働環境の改善

時間外労働や休日労働の有無を把握したうえで、法令にのっとって適切に管理していきましょう。育休・産休や有給休暇、介護休業など、必要な休暇の取得を促すことも経営サイドの役目です。また、コミュニケーション不足や人間関係の悪化も離職の原因になります。上司との面談やメンター制度、他部署とも関われる社内イベントを実施するなどして、話しやすいオープンフラットな環境を作っていきましょう。メンタルヘルスケアや福利厚生制度の充実も、だれもが働きやすい職場環境づくりに貢献します。

 

 

離職率低下につながる福利厚生

福利厚生の充実には、従業員の満足度向上による離職率低下のほか、採用競争力の強化や企業イメージの向上などのメリットもあります。優秀な人材を採用・定着させるためにも、人気の高い福利厚生を導入していきましょう。

  • スポーツジムの法人契約
  • 家賃補助や通勤手当
  • 社内保育所、託児所の整備
  • 結婚、出産祝い金
  • 健康診断、人間ドックの費用補助
  • 資格取得の報奨金
  • 休暇制度

上記は、人気の福利厚生制度の例です。なかでも、とくに従業員から喜ばれる制度をチェックしていきましょう。

 

 

従業員人気の高い福利厚生トップ3は?

従業員から本当に喜ばれる、人気の福利厚生制度トップ3は次のとおり。特別休暇制度や住宅・家賃補助に次いで、スポーツジムの法人利用や健康プログラム、人間ドックなどを含む「ヘルスケアサポート」がランクインしています。

  1. 特別休暇
  2. 住宅手当・家賃補助
  3. ヘルスケアサポート(ジムの法人利用や人間ドックなど)

関連記事:従業員満足度を上げるメリットとは?「働きがいのある職場」の作り方

 

 

福利厚生としてヘルスケアサポートが人気の理由

福利厚生の重要性が高まるなか、近年は休暇制度や金銭的な補助に並んで、ヘルスケアやフィットネスに関わる福利厚生制度の人気が高まっています。ジムの法人利用や社内フィットネス施設の設置などは、社員たちの運動不足や健康促進、ひいては業務効率や労働生産性の向上、離職率の低下にもつながります。従業員はもちろん企業にとってもメリットが大きいことが、近年の企業フィットネス推進の理由なのです。

 

 

従業員満足度を高めて離職率を改善しよう

新卒者の3割以上が早期離職しているいま、彼らを定着させることは採用・教育コストの削減、業績の安定性、既存社員のモチベーションアップにつながります。離職率の低さは”働きやすい会社”というイメージの象徴でもあり、対外的なイメージアップにもなります。労働環境の改善や教育体制の見直し、新たな福利厚生の導入など、従業員満足度を高める施策で離職率改善を目指しましょう。

 

 

優秀な人材を採用・育成するためには、従業員満足度向上につながるフィットネス関連の福利厚生導入がおすすめです。定期的な運動によって健康的な心身を手にいれられると、業務効率や生産性も高まり、企業にとってもプラスに働きます。

 

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